ニッカ余市蒸留所でウイスキー作り体験!~余市マイウイスキーづくり(1)
4月21日(土)・22日(日)の2日間の日程で開催された「余市マイウイスキーづくり」に参加してきた。毎年春と秋に一般公開募集で行われているイベントだが、今回はブロガーなど対象とした体験イベント。ブロガーの他、メディアの方も来ていてメンバーは全員で20名。
蒸留所見学は何回もしているが、「体験」は今回が初めて。
他の参加者とも思い切り盛り上がり、一生の思い出になるよな貴重な体験ができた。写真も大量に撮ってきたので、何本かにわけてレポートしたい。
他に参加したブロガーも個性派揃いで記事がとても楽しみなので、見つけ次第リンクを張って紹介をしていく予定。もしよかったらトラックバックでお知らせいただけるとうれしいです>余市仲間ブロガーの皆様
集合は1日目の13時。
余市蒸留所は、余市駅を降りるとすぐ正面に正門が見えるほど近い場所にある。積丹半島の北側にあり、札幌からは1時間2分、小樽からは23分の場所だ。今回私は余市駅近くのペンション風のところに泊まったが、多くの人は小樽の駅前ホテルに泊まっていた。
まずは着替え。
作業着とヘルメット、軍手にタオル、あと受信専用トランシーバーが渡された。
背中に大きくニッカと入った、緑色のつなぎの作業着に皆大興奮。
いきなりの記念撮影タイムに。
なんか自分、つなぎ似合うかも~と自画自賛。次に東北ボラ行く時にはやっぱ一着つなぎ買っていこうかなあ(女性でも結構つなぎ着てる人います/夏は暑くなるかもだけど)
そしてゾロゾロと試飲会場などある大きな建物ニッカ会館へ移動。
アサヒビールの1人とAMNの2人、それとブロガー4人はすでに面識あり、飲み会やイベントもしょっちゅうご一緒している方。残りは初めて会う人ばかりだったが、事前にFacebookグループで、飛行機や宿のことなどいろいろ情報交換していたので、すぐ打ち解けた。
大掛かりなブロガーイベントの場合、事前にFacebookグループあると楽しいかも。
酒好き・旅好きで、どこか同じ香りも漂う人種だったゆうのもあるかな。今回かぎりでなく、東京戻ってもブログ仲間としてお付き合いしていけたらいいなという人が何人もいた。
通常の「余市マイウイスキーづくり」でも一人参加の人が結構多いと思うんだけど、きっと同じように、ウイスキー話とかですぐ仲良くなる気がする。10年後にこんな懇親会もあるんだよね。同窓会みたいでいいね!
まず最初に名簿登録。
何かというと、2日目に樽詰めしたウイスキーが10年後にできあがる。
それをボトリングして一本送ってくれるんだけど、その送付先を書いておくというもの。
十年って結構長いよね。独身で賃貸の自分は、住所も携帯電話番号も、場合によっちゃメールアドレスすら今と同じかどうか自信がないので、とりあえず実家住所を書いておいた。
■1日目
13:00 | 集合・着替え |
14:00 | 挨拶・日程&製造工程の説明 |
15:00 | 製造工程案内・体験作業(石炭焚き・糖化釜清掃) |
16:20 | 着替え |
17:20 | 博物館・竹鶴邸内見学・ニッカ会館で会食 |
19:45 | 解散(専用バス送迎あり) |
■2日目
13:00 | 集合・着替え |
9:00 | 体験作業(樽造り・樽詰め)、樽を転がして貯蔵庫へ収納 |
10:40 | 作業終了、自由時間 |
11:40 | ニッカ会館で終了式 |
12:00 | ニッカ会館で昼食 |
12:40 | 解散 |
午後 | 希望者のみ竹鶴ゆかりの地をまわる余市ツアー |
↑一応こんなスケジュールになっていたんだけど、なにせコテコテのブロガー揃い。
一眼レフ派も多く写真撮影にもとても時間かかるので全体的に後ろに押してしまい、自由時間的なものはほとんどなかった。よく言えば濃密、言い方変えるとかな~りバタバタな日程だった(こだわった写真を撮りまくっているのが原因で決して運用側の問題ではない)
二日間みっちり案内してくださった講師の小原氏(左)と杉本工場長(右)。あと総務部だったかな、話がとっても面白いコヤノ氏もずっとアテンドしてくださった。
まずは、ニッカ会館内の会議室でウイスキー作りの工程や、創設者の竹鶴が蒸留所建設に余市を選んだ立地上の理由などの講座。
単身スコットランドに渡ってウイスキー作りの技術を日本に持ち帰ってきた竹鶴。スコットランドに似た気候風土のこの余市をウイスキー作りに理想の地と考えた。
このあたりの話は、スコットランドで出会って大恋愛の末結婚したリタ夫人のストーリーも含めかなりドラマティックだったりするので、興味ある方はぜひこちらで。
そしてお楽しみの「体験」ツアー開始!!!
敷地内には一般見学のお客さんも結構いて、作業着にヘルメットの集団が気になる模様。
「あれじゃないの?研修とか・・・」
まずいなあ、ニッカ社内の人だと思われていたら、挨拶もしないし、ポケットに手を突っ込んで歩いている人もいるし、ちとイメージ悪くするよなあ。
・・・とか余計なことを考えてしまう自分は、「社外の人です」アピールのため、やたら観光客風にカメラ構えて写真撮りまくったり。
乾燥
最初に訪れたのは「キルン塔」。
ウイスキーの原料となる麦芽を乾燥させる建物で、下では「ピート」という泥炭を燃やして煙をだしている。このピートの臭いが、外にいても強烈に漂ってくる。
ウイスキーのスモーキーな香りはここからくる。
前に一般見学で来た時には、入り口あたりを覗く程度だったが、今回は中まで入ることができた。
建物の中央ほとんどが巨大な釜というか煙突のような状態で、中でピートが燃えていた。一瞬で作業着もタオルもピート臭がうつって、いきなりスモーキーな人間になってしまった一行。
さらに細い階段を上って、キルン塔の上にも。
どこか屋根裏部屋みたいなそのスペースは、足元は格子の上に網が貼ってあり、中央部分に麦芽が積み上げられていた。
この建物はもう製造には使われておらず、見学者向けのデモ。実際には部屋一面に麦芽が広げられていて、まんべんなく乾燥しピート臭がつくよう、時々かきまぜたりならしたりという作業を数日間続けていたそう。
今は・・・というと
●余市マイウイスキーづくり体験イベント(2)キルン塔の中でピートの煙を楽しむ:裏[4k]
↑一緒に参加した四家さんのブログ記事に詳しく載っているのでこちらを読んでみてほしい。
幸い、この週末は地元の人も驚くほどの好天で日差しもかなり強かった。その結果・・・
建物の木造部分の節目から日の光がビーム状に差し込んでいて、天井はこんなことに!!!
粉砕
次に訪れたのは、乾燥した麦芽を粉砕する建物。
講座の時にも登場したけど・・・
真ん中にある、こぶりな機械が最新の粉砕機(たしか)。
全国に出荷しているウイスキーの原料を、こんな機械一台で粉砕しているの!?と何かとっても不思議な気がしたけど、そもそも、余市で製造工程にかかわっているのは25名ということで、他の食品や飲料のような、大規模な工業生産の商品とは全然違うんだよね。
ピート燃やして乾燥させたり、石炭をくべて火をおこし蒸留を行うとか・・・。
糖化
そして麦汁を作る工程。
巨大な糖化釜の中では、ぐるんぐるんと攪拌するアームのようなものがまわっていた。粉砕した麦芽に温水が加えられ、酵素の働きででんぷんが麦芽糖へと変化する。
どろっとした麦汁はほんのり甘くなる。糖分はその後醗酵してアルコールになる。
この糖化釜には、後ほど入ることができる。
醗酵
醗酵棟にくると香りもまたがらり香りが変わる。案内をしてくれた講師の小原氏が「“観光”ではなく“観香”」と言っていたけど、蒸留所は確かに、次々と変化する「香り」を体感し楽しむ場でもある。ウイスキーそのものがそうであるように。
ずらり並ぶ醗酵槽。
麦汁に酵母が加えられ醗酵、つまり糖がアルコールに変化する。
その間3日間ほど。ここまでの過程はビール作りとそれほど大きくは変わらないという(もちろんピートでの香り付けとかはビールではないけど)。
この工程で重要なのは温度管理。
私もここのところ、納豆作ったり、塩麹作ったりしているのでここのところに興味津々。そいやこの間の塩麹は、温度あげすぎちゃったせいか、全然醗酵しなかったんだよな~。帰ったらもう一度やりなおしてみよう。
試飲させてもらった、醗酵前の麦汁。
もちろん麦の味もするし、さとうきび汁的なちょっと青臭さの残る甘みも。
これが全然別物になっちゃうのだから、やはり醗酵ってすごいことだと思う。
ここでも階段を上り、醗酵槽の上部から中を覗かせてもらった。特に攪拌しているわけでもないのに、醗酵のエネルギーでふつふつと泡が立ち続け、対流している醗酵槽の中身。
一日目と二日目、三日目のものは様子も全然違う。
マグマのようだ。
「ああ、この中にダイブしたい!」
と言っていた人がいたけど、いえいえ。
そこ一発で酸欠死しますって!
そしてこの後は「蒸留」なんだけど、長くなっちゃったので次の記事で。いろいろ貴重~な体験もあります!