“どれでもいい”
RSSリーダーでブログ記事タイトルだけ読んでここに来た人も多いだろう。そんな人にとって「どれでもいい」は、どんなニュアンスなのだろうか。
「どれもいい!」
「どれでもいい」
たった一文字しか違わないふたつのセンテンスの意味は大きく異なる。いやー、日本語って難しいね。
「どれもいい!」
あれもこれもそれも、すべてに感動して、「どれもいい!!!」と叫んでいることだろう。かたや・・・
「どれでもいい・・・」
似たり寄ったりのレベルの低いものを見せられ、ため息交じりで相手と目もあわせず「はっきりいって、別にどれでもいいよ(違いすらないよ・・・)」と言っている印象がある。
でもね。
違うかもしれない。
息を切らしながら、多少上ずった声で「どれでもいい!!!(すべて最高!)」と言っている可能性もある。言葉のトーンひとつで、意味合いはまったく変わってくる。
対面していれば「どれでもいい。。。」なのか「どれでもいい!!!!!」なのかが分かるが、文字ベースになってしまうと、その判読はいっきに難しくなり、結果、メール文章をめぐるトラブルも発生する。
たった「で」一文字。
この違い。
言葉は、特にデジタルな世界において慎重に使うべきだ。
何度でも読み返す。
シニカルな視点で自分の書いた文章を読み起こす。
自分の中の「ダークサイド」な心情を引き出して、詠み起こす。
「すごいっすね」
こんな一言が、何か裏の意味を帯びていないか、シニカルなトーンになっていないか、何度でもチェックする。相手に不快感を与えないか、自分の中にひそんでいる、妬みや悪意が行間ににじんでいないか、チェックする。
「相手を嫌な思いにさせたいわけではない・・・」
何度もこう確認する。
自分の中の、相手を傷つけたい気持ち、不快にさせたい気持ちを、とにかくつぶす。そう思う自分自身を恥じる。自分自身の狭量さを直視する。
それですら、失敗することは多い。
自分自身、今まで何度も、メールで相手を傷つけてきた。深く反省している。
日本語はなかなか難しい。
でも難しい理由は、行間にいろいろな思いを詰め込める仕組みになっているからだ。
そこにネガティブな感情を入れてしまうことがないよう、送信ボタンを押す前のチェックを、何度でも繰り返すようしたい。