東京都内で富士登山?!品川神社の富士塚に登頂
アーバンアルピニストことTomakiさんにお誘いいただき、富士登山に参加することに。
・・・と言ってもあのニッポンイチの山ではない。
集合は東京・北品川にある品川神社。東京十社のひとつで房総半島の洲崎神社とも関係がある神社だ。
場所は京浜急行線新馬場駅から徒歩2分で第一京浜沿い。
駅ホームからも、マンション群の合間にこんもり盛り上がった神社の森が見える。
集合場所で笑顔で立つTomakiさん。
「登らない登山家」アーバンアルピニストとして、現在都内の様々な"山"への登頂を行っている。
●アーバンアルピニストとして、富士山登頂に成功!ただし、東京・品川の : 日曜アーティストの工房
それにしても青空が見事。
雨続きの日々と台風24号到来の狭間の軌跡と言ってもいい貴重な晴天だ。
こんな登山のしおりまで用意してくれていた。
さあ、いざ登山開始だ!
品川神社自体、周囲からかなり高い場所にあり、二匹の龍の鳥居からは長い階段が伸びている。この「双龍鳥居」、左が昇り龍、右が下り龍だ。
階段の途中の左側に、小ぶりな鳥居がもうひとつ現れる。
石で作られている鳥居でこのサイズというのも珍しい。
鳥居をくぐるとすぐ「登山道」が始まる。
まずは一合目。
一合目の3段先にはもう二合目と刻まれた石柱が見える。
二合目の手前には前鬼後鬼を従えた役行者。
なぜか缶コーヒーがお供えされていた。
そして三合目。
ここ数年、空前の富士登山ブームが起こっているが、江戸時代にも多くの人達が全国から富士山を目指し、登った。
そこには「富士信仰」と「富士講」がある。
そんな中、富士塚があちこちに築かれた。
現在でも東京中心に多くの富士塚が残っており、この品川富士も「江戸七富士」のひとつで有名なところだ。
富士塚(ふじづか)は富士信仰に基づき、富士山に模して造営された人工の山や塚である。江戸時代には一般的に「お富士さん」などと呼ばれ親しまれていた。一方、現代では「ミニチュア富士」(ミニ富士)とも呼ばれている。
登山道に見立てて付いている通路に沿って「一合目・二合目......」と、富士山に登る思い入れを込めて登れば、神々しく有難く、霊験あらたかであるともされており、富士信仰の文化が現在も脈々と受け継がれている。
そして四合目。
思い入れを込めたいところだが、あまりに距離が短すぎてなかなか難しい・・・
あっという間に五合目だ。
本物の富士登山は五合目からスタートする人も多いが、ここも五合目以降がなかなか本格的な「登山」となる。
というのも、結構な急斜面なのだ。
階段が作られているので登ること自体はまったく難しくないが、うっかり転んだりしたら大変なことになる。転落防止のチェーンも張られていた。
そして前方から感嘆の声が聞こえた。
ここからの眺めがすごいのだという。
おおお、ほんとだ!
第一京浜から歩き始めまだ数分しか経っていないというのに、すでにかなりの高さに。
京急の高架よりも、そしてその南側の商店街や住宅の建物の屋根よりも高い位置となり、一気に展望が開けた。北品川の東の端で、運河を越えると天王洲アイルや品川ふ頭がある一帯だ。
そして九合目を越えると・・・
ここが富士山頂!
登り始めからわずか5分程度で登頂を果たした。
まさかこんな展望が楽しめるとは全く思わなかったよ。
富士塚には、富士山から持ち帰ってきた溶岩などが埋め込まれているのだというが、確かに黒くて表面があばたになっているのは溶岩のようだ。
なかなかの達成感。
朝早起きして参加した甲斐がある(集合は7時25分だった)。
なにかご利益があるといいなあ。
そして下り道。
こちらはずっと急な階段のみで、本当にあっという間。実際の富士登山と一緒だ。
裏から見た富士山頂。
中央に建てられたポールは、祭祀の際に何かのぼりや旗などが掲げられるのだろうか。
そして富士塚のすぐ裏にある浅間神社にお参り。
二体の狛犬の台座には富士山の絵が描かれていた。
あと脇には蛙の置物も。「ぶじかえる」で交通旅行安全守護なのだという。富士詣に行く人がここで道中と登山の無事を祈願したのだろうか。
品川神社の本殿も本当に立派。
さらにその脇には赤い奉納鳥居がずらり並び、奥にはまた別の神社。
こんなにフォトジェニックな神社だったとは知らなかった。
銭洗いの湧き水も。
さらに境内裏手にある板垣退助の墓所も見学して・・・
品川神社を後にした。
Tomakiさんに解説してもらいながらの、人生初の富士塚登山。事前の期待以上の楽しさだった。
数日後からはまた沿岸ツーリングが始まるので、道中の無事故も祈願できたし。
都内の"登らない登山"企画、またあったら参加したいし、個人的にも江戸七富士登頂に挑戦してみたい。
Tomakiさん、ありがとうございました!