こんな時どうする?≪トイレ個室編≫
注:架空の話です。多分。
その時わだ(仮名)は、新宿の駅ビルの女子トイレに入っていた。平日夕方。3つある個室の1つだけ先客がおり、洗面スペースでは女子中学生らしき子が変身中。
個室に入って、便座を軽くふいて腰を下ろす準備開始。
──とその時。
突如、ディズニーランド。
となりの個室で着メロがけたたましく鳴った。
「あ、たかし〜っ!うん。今、デパート」
まあ・・・デパート内っつうのは本当だよね。
静かなトイレ内のせいか、隣の女の子の声が高らかに響き渡る。
「え〜っ、違うってば〜。ピアス見てたところ」
それは無理だろう。
トイレットペーパーの間違いじゃないか?
とりあえずお約束なので「音姫」とか鳴らしてみる。
ザ〜ザ〜ザ〜。
「あ、あのね、待ち合わせの場所なんだけどね・・・」
音姫に動揺したか、少し早口で話し始める。
そうそう、背後の余計な物音を消すには、大声で一気に話しまくるしかないもんね。
息継ぎ。
どうも相手(彼)が話をしているみたいだ。
このタイミングを逃してはいけない。
まだ用も足していないので必要ないのだが、水槽横のレバーを「大」方向に思い切りシフト。
ザ〜〜ザ〜〜ザ〜〜。
やはり、リアルな音のほうが迫力あるね。
隣の個室から、激しい動揺が伝わってくる。
駅ビルのトイレはあまり衛生状態よくないから、手を洗う前に携帯を持ったりするのはよくないよ。そう心の中でつぶやきながら、個室を後にする。いやー、ちょっとすっきり。