小笠原・父島最終日。
この日は半日ボートツアーに参加し、小笠原の「海」を体験することに。
利用したツアーは小笠原観光の「イルカ・クジラ南島ツアー(午前半日コース)」。
という内容だ。
泳ぐ人はシュノーケルセットのレンタル代もツアー料金に含まれている。実際には泳ぐ人・泳がない人半々くらいだった。
船酔いした人は風向きをよく考えてから海に吐くこと、イルカと泳ぐときのルールなど、細かな注意点がスタッフから伝えられる。南島上陸は、波の関係で難しいかもしれないということも。実はここ数日、南島には上陸できていないのだという。
まずは父島の東側の沖を走り南へ。
前日自分がレンタルバイクで立ち寄った白砂ビーチが次々現れてくる。
幸い波はそれほどなく、船も揺れなかった。
そしていよいよ南島。
南島は石灰岩からなる沈水カルスト地形の島。切り立った崖に囲まれた無人島で、上陸するためには南側の入り江の中に入り岩場を伝っていく必要がある。桟橋がないのでちょっと大変らしい。
周囲から見ているだけでもわかる独特の地形。
カルストというと、まっさきに思い浮かぶのは秋吉台のゴロゴロ白い岩が転がる風景で、巨大な鍾乳洞に入ったのも懐かしい思い出だ。
沈水カルストとはその名のとおり、カルスト地形が海面上昇などで海に潜ったものをいうそう。
そしてここが、南島の南側の入り江。
一番細くなっている出入り口部分の中央にさらに岩礁が突き出ているため、その間から入らないといけないのだが、何分にも波が荒い。
乗客が左右均等に分かれ船のバランスをとりしっかり手すりにつかまり、船長のこの難関突破の試みをじっと待っていたのだが、しばらくの後「すみません、本日はやはりだめです」とのアナウンス。もう少し潮が満ちていればなんとかなったかもしれないとのこと。
ツアー会社によっては、同じ頃ここを突破できたところもあるようだ。
そこはなんでも、小さなボートに乗り換えて通過したとのこと。
まあ、ダメなものはダメなので潔く諦める。
もし上陸ができていたら、高台を越えてあの白砂のビーチのところまできて、プール状態になった湾内で遊泳&まったりタイムだったようだ。
美しい。
上陸レポートが父島で各種ツアーを組んでいる「素潜りの学校」のサイトに掲載されていた。
●9月29日 Aプラン 南島上陸 ドルフィンスイム 海中公園スノーケル - 素潜りの学校ブログ
南島周辺は、海の色も違う。
写真だと海面が反射してダメだが、透明度も高く底もクリアに見ることができた。
ごつごつの岩場に凜とたつカツオドリ。
父島南端のジニービーチもしくはジョンビーチのどちらか。
車道はなく、ジョンビーチは小港海岸から遊歩道をひたすら歩いて2時間半かかる場所、ジニービーチは陸路ではいけない場所だ。
操船しながら、船長さんが島の観光ガイドもしてくれる。
岸壁には、細長い窓状態の穴がいくつかあいていた。
恐らく奥には坑道が続いているのだろう。米国戦艦を攻撃する砲台だろうか。火山地形だからそれほど堅くはないのだろうが、よく掘ったなあ。
初日に夕陽を見に行ったウェザーステーション展望台がかなりの高台だったこともわかる。
そして兄島海中公園でシュノーケリング。
島からちょっとのところにボートを停泊し、岸とボートの間で熱帯魚三昧。
ボートから投げ込まれるパンの耳目当てに、たくさんの魚が集まっていた。透明度も高い。
そしてイルカ。ハシナガイルカだ。
父島でのドルフィンスイムは、「会えるかどうか」というレベルではなく、次々遭遇する。
イルカにストレスをかけすぎないようにということで、水中へのエントリー回数1隻あたり5回以下というルールがあるほどだ。
群れの規模も大きく、まっすぐに、時に大きな弧を描いて何十頭ものイルカがディープブルーの海をすいすいと泳いでいく風景は幻想的だ。
不慣れな自分はなかなかタイミング合わず、浮上してきたイルカの近くにはいけず、また素潜りも自信がないため海面からただ下を見下ろすのみ。今度いつか、素潜りをちゃんと練習してみたい。
船の上からは浮上してきたイルカを見ることができた。
一度は、身体を回転させながら水面に飛び出してくるスピンジャンプも目撃した。
格好いい!!!
残念ながらもう一種類のイルカを見ることはできず、南島にも上陸はできなかったが、それでもかなり盛りだくさんなボートツアーだった。
落ち着いたトークでずっとガイドをしてくれた船長さん。
お世話になりました。
東京都の観光PR事業の一環として、2016年9月27日から10月2日までの日程で、小笠原父島・母島を訪れています(現地滞在は3泊4日/東京都多摩・島しょ魅力発信事業からの招待)。詳細は公式サイト「tokyoreporter島旅&山旅」にて。