とっても貴重な経験ができた。
以前、旅行ついでに造り酒屋を訪れて見学コースまわったことはあったものの、今回はじめて、実際に日本酒を作っている現場をじっくりまわり、話を伺うことができた。
企画してくれたのは「わかったブログ」のかん吉さん。
5年ほど前に、我が家でホームパーティーをやった際、私のお酒の師匠が、一升瓶をもってやってきました。そのお酒が、静岡県の銘酒「初亀」の純米吟醸でした。これが、メチャクチャ美味しかった。(「そろそろ日本酒について語っておくか」-わかったブログ)
そんな「初亀」は、静岡県の宿場町のひとつ岡部にある酒蔵で、
自分も東海道53次ウォークの途中に、まさにこの前を通り、写真を撮っていたところだった。
まずは和室に通され、
社長の橋本氏から直々にお話を伺った。
日本酒の魅力、いろいろなお酒がある中でも本当に手間をかけて作られていること(でもワインや焼酎などと比べても価格が安く押さえられてしまっていることも)、精米などお米の話、杜氏交代の話、昔と今の酒造りの違いなどなど。
大吟醸だったか、35%まで米を削るという話にはびっくり。
本当に中心の芯の部分しか使わない。
もちろん削った65%の米粉も何か別の材料に使われるのだろうけど、本当に贅沢なお酒だ。
そして、さっそく蔵の見学へ。
はじめて、白衣にマスクに白い帽子までかぶった。
とっても残念なことに、初亀ファンで企画してくれたかん吉さんは、納豆を朝食に食べてきたため、蔵に入ることができなかった(納豆菌がまずいらしい)。
これが米を蒸す釜。
大きい!と思う一方、全国のこだわり地酒の居酒屋などに「初亀」を作って販売している蔵元と考えると、小さい気もしてしまう。
仕込みの期間中、毎日ここで米を蒸し、仕込みをしてという作業を、杜氏と蔵人数人で繰り返してゆく、こうした地酒って本当に、手作りで作られているんだなあと驚いた。
ちなみに、蔵人は全員、合宿で、
この米を洗ったり蒸米したりするエリアのすぐ隣に宿泊の部屋があった。
少ない人数での集中作業のため、ひとりが風邪やインフルエンザで倒れても大変なことになってしまうので、健康管理が重要なんだとか。
そして移動。
ここは、蒸した米を広げて熱をとり、麹菌を混ぜる場所。
自分たちが訪れた時も、かなり温度が高かった。
一昼夜ここに広げておくとのこと。
「お米かぴかぴになっちゃわないのですか?」
との質問には、麹菌がしっかり中まで入り込むためには、むしろ周辺を乾燥させないといけないというような説明があった。
そして、酒造りの工程とはちょっと順序が前後していると思うけど、ここが確か、お酒を搾るところ。
手作り感たっぷり。
本当にこんな風にして搾っているんだ~と、めちゃめちゃ驚く。
ちょろちょろとでてきている原酒を、直接すくったものを試飲させてもらった。
華やかで、フルーティーで、おいしい!
ああ、なんでかん吉さんは納豆を食べちゃったんだろう!残念!!!
そして、もろみを仕込むところに。
このあたりは、以前見学させてもらったウイスキーの蒸留所とも似ていて、大きなタンクの上からも中が見えるよう、通路が作られている。
中はどうなっているかというと・・・
糖化&アルコール化の真っ最中のもろみは、
まるで牛乳のような白さで、中からはぶつぶつと泡が。
温度管理がとても重要とのこと。
こも巻きされた冬の松の木みたいに、タンクのまわりには発泡スチロールのようなものが巻き付けられていた。
そして貯蔵している場所にも案内してもらった。
中はびっくりするほど冷たい。
大吟醸は、それ用の部屋に納められていて、
やはり熟成環境も特別みたいだ。
いやー、思った。
日本酒ってホント、今でも「手作り」なんだ!
最初の時に、社長が「日本酒は(作る工程や質を考えても)安すぎる」と話していたのが本当に納得。
そして試飲会。
あとで聞いたら、まだ甑(こしき)倒し前で、一年でもっとも忙しい時期の真っ最中だったそうなのに、わずか7名のために社長はじめここまで人手さいて案内をしてくれたなんて、本当に申し訳ない気持ち。
作業中の蔵人の方々ともあちこちですれ違ったけど、
すごく気持ちよく挨拶をしてくれた。
ずらり初亀!
一種類ずつ解説を聞きながら、試飲させてもらった。
こんな風に同じ酒蔵の日本酒で飲み比べる機会はないので、すごく面白い。
そしてやっぱり日本酒はすごく繊細なお酒だよなあと。
フルーティーなものは、
どこかバナナのような香りも漂ってくる不思議。
初亀、おいしい~!
かん吉さんが大好きというのがわかる。
同じ敷地内で初亀を買える場所があったので、
さっそく2本買っちゃいました。
銀色の包みでくるまれているのは、
3月5日に発売されたばかりの、無濾過の生原酒。
賞味期限がたった10日という、
加熱されていない、まさに“生"のお酒。
実はこの記事書きながらちびちび飲んでいるんだけど、香りも味も、ぱーっと広がるような華やかさがあっておいしい!
あと大吟醸の酒粕も購入した。
最初から最後まで、情熱的に語り続けてくださった社長の橋本氏。
お話を伺って、「日本酒ってやっぱりすごい!」「もっといっぱい味わなくちゃ日本人としてもったいない!」と改めて思いました。
本当にありがとうございました!!!
そして貴重な機会を作ってくれたかん吉さん、感謝です!
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さてこんな初亀、どこかで飲んでみたい!と思ったら、
まずは「初亀が飲める居酒屋」を探してみるのが一番。
やはりファンの多いお酒のようで、クチコミもたくさんあがってくる。
三軒茶屋の「赤鬼」にも確か置いてあった記憶が。
あと近所の酒屋ではなかなか見つからないかもしれないが、
ネットならお取り寄せも可能だ。