最初の週末プチ旅行は世界遺産・周口店「北京原人」遺跡
せっかくの北京滞在なので、週末は「一日みっちり勉強」「もう一日をプチ旅行」に充てることにした。
まずどこ行こう?
北京は三度目なので、故宮も天壇公園も万里の長城も行ってる。うーん、北京、北京、北京・・・と考えていたら、天の声が聞こえた。
北京と言えば北京原人!
それだ!
ネットで調べたところ、北京中心部からは50kmくらいとのこと。それなら日帰り旅行にちょうどいい距離。
●周口店北京原人遺跡(1) - じゃんす的北京好日子 東京編
ここ一週間、大学がある海淀エリアから出ていなかったが、初めてバスと地下鉄を乗り継いで「前門」に。故宮や天安門広場の南側にあり北京の正門になる。
ここから時々わき道に入り込みつつ前門大街を南下して、天橋バスターミナルに向かった。前門もゆっくり歩きたいなあ。
ネットで事前に場所チェックしていたのに、メモしてくるのを忘れ30分くらい歩き回った末に辿り着いた天橋バスターミナル。
さらに通りに面してバス停がたくさんあり、路線番号を控えてくるのを忘れたため、一個ずつ全部見て歩かなくてはいけない羽目になった。
もうひとつ困ったことが。
トイレに行きたくなったのだ。長距離で高速走るとはいえバス内にトイレはないだろう(昔タクラマカン砂漠の南側を24時間走り続ける長距離バスに乗ったけど、トレイはなかった)。
周囲歩き回った末発見!
新しそうな公衆トイレ。
中もきれい。
扉どころか仕切りもなかったけど。
今回初の中国式公衆トイレ体験。
他の人がいなければ巨大な個室と思えばむしろ広々してるし、きれいだし、壁に荷物や洋服をぶつけないよう注意する必要もないのでむしろよかったりする。
他の人が入ってくると照れるけどね。
日本人はよく間違えるけど、お尻は壁に向けてしゃがむ。逆むいてると後から入ってきた中国人をびっくりさせてしまう。
出すもの出して気持ちもすっきりしたところで、再びバス探し。そして見つかった。「836番 天橋→張坊」のバス停の行先案内に「周口店」の文字が。
ここで新たな問題が。
「周口村路口」
「周口店路口」
微妙な違いのバス停が2つ。中学で習った北京原人の発見場所は確か「周口店」だったけど、見続けていたら「周口村」だった気もしてきた。
降りるのは「店」でいいのかそれとも「村」か。
iPhone契約を休止にしてなければネット検索するのだが、今はそれができない。中国で契約したスマホもネット利用できるはずだが、まだ使いこなしていない上、日本語の入力はできない。
聞いてみることにした。
「北京原人を見に行きたいんだけどこのバスでいいんですか?」
「そうだ、これだ」
ちょうどバスが来た。
「これに乗れ」
「北京原人を見るにはどのバス停で降りればいいんですか?」
「?・・・乗れ」
・・・うー、通じず・・・(ー_ー)
ただ運転手さんに伝えてくれた。
「彼女は北京原人に行く人だ」
私の聞き取り能力だとこう聞こえる。
「彼女は北京原人だ」
運転手さんがさらにチケット販売の女性スタッフに伝えてくれた。
「彼女は北京原人に行く人だ」
やっぱり「彼女は北京原人だ」にしか聞こえないなあ・・・。うっかり「はい、私は北京原人です」と言いそうになる。
再び降りるバス停を聞いたが、今度は答えがわからず。
こちらの不安が通じたらしく、女性スタッフが言った。
「紙持ってれば書くわよ」
ああこれがわかるようになっただけで嬉しい。
「我有!(あります)」
紙に書いてくれた。
周口村で降りたら、そこで38番のバスに乗り換えればいい。そうすれば「就到了」、目的地に着くという。
これで安心♪
謝謝!
バスは北京市内を走り抜け
こんな並木道も走り続け、その後高速道路に乗って、周口村に到着したのは1時間以上後だった。
「世界遺産だからたくさん降りるはず」と思ったんだけど
降りたのは私ひとりだった。
そして降りた場所に、38番のバス停も発見!
「猿人遺跡」の文字も。間違いない。
運転手さんに念のため「ここに行きます」と伝えようと紙に書き写したが、38番のバスは乗るのがやっとくらいの混みよう。バスの中で若い女性に「ここ猿人?」と聞いて降りた。
ここもバスを降りたのは私一人。
バス停に至っては文字完全に消えちゃってるし。
マイナーなのかなあ・・・一応世界遺産なんだけど。
でも目の前にこんな立派な石碑。
そこからちょっとのどかな線路を越えて
周口店遺跡に!
巨大な北京原人が出迎えてくれた。
チケットは30元(約450円)。
ここまで1時間以上走ってきた高速バスが2元(30円)という料金なことを考えるとちょい高いかな。
家族連れが何組もきていた。
といっても一人っ子政策は今もゆるやかに続いているので、親子三人組が多い。
階段を下りてゆくと
北京原人が発見された洞窟だ。
ここが非常にありがたいのは、日本語の案内が非常に充実していること。中国語・英語・日本語の三本立てになっていた。
貴重な北京原人の化石は、完全な頭蓋骨もあったのだが、日中戦争の中でなくなってしまっている。なのでここで見れるのは、こうした洞窟や化石のレプリカ、あと千五発掘された化石などだ。
あと広い敷地内にはこうした像もいくつも設置されていた。
あちこち工事中だったので、次に来たらもっといろいろ見る場所が増えているのかも。
坂をずっと上っていったところに博物館がある。
新しそうな博物館。
展示も凝っている。
まずは、遺跡がどこで見つかったのかなど周辺の地形などが3D映像で説明される。
中は化石中心に発掘された遺物やレプリカなど。
実は結構人もきていた。
ここの展示もすべて日本語付き。
北京原人は、現在の人の直接の祖先ではなく、絶滅をしたらしい。
原人といえば他にジャワ原人もいるが、こちらも現生人類の直接の祖先ではないという学説が有力らしい。
大勢集まって盛り上がっていたのがこのコーナー。
用意された四角いボード付きのカチューシャを頭にはめて正面を向くと、スクリーン上部につけられたカメラ経由で、人の顔が古代の動物に置き換わった映像が正面に映し出される。
右端にいるのが自分だ。
化石や化石のレプリカを見ながら一周。
20分くらいでひとまわりできるくらいの広さだ。
北京原人が1941年に行方不明になった時に入っていた木箱のレプリカ。
最後はお土産コーナー。
北京原人のゴムマスクとか売ってたら買っちゃったかも。
そしてこのTシャツ。
今、写真見て気付いたんだけど、進化の歴史の最新版は、背中を丸めてパソコン画面に向かっている人のシルエットだったんだ。
面白いかも。
買えばよかった!
下にあった洞窟の他、頂上付近にも遺跡発掘場所があるということであがってみた。作りかけの場所もあちこちあった。
ここにも洞窟。
「山頂洞人」とある。
これは北京原人とはまた別なのだろうか。
山頂からは、周辺一帯が見渡せる。
ゆるやかな山が連なり、なんとものどかな、そして日本にも通じる風景。
再び、38番のバスと836番の高速バスを乗り継いで北京市内に戻ってきた。乗換場所がちょっとわかりにくいので、着いた時に目印になる建物をしっかり覚えておくか、バス停の数をきちんと数えながら乗ったほうが安全。
歩き疲れて帰りの高速バスでは熟睡。
終点の天橋バスターミナルまではいかず、その手前の「六里橋東」で降りた。窓の外に地下鉄駅が見えたので。天橋まで行ってしまうとバスしかないので、多分ここで降りて地下鉄乗ったほうが楽だと思う。
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最初の週末旅行は以上。
バスターミナルの場所を控えていくの忘れ迷った時はもう諦めようかと思ったが、無事に辿り着いてよかった。
まだ行先確認などが中国語でちゃんと通じないのがもどかしいが、一か月後には街中移動にからむ会話くらいは、筆談一切必要ないレベルにしたい。