ガソリン満タンの赤いクロスカブにまたがって、千葉の実家を出発したのが9月6日の午後1時過ぎ。
大洗からフェリーに乗り、8日日の出とともに八戸を走りはじめた。そして9月18日は遂にツーリング最終日。縦に長い茨城の海沿いを走り続け、利根川沿いの実家がゴールだ。
でもその前にいわき観光♪
まずは薄磯地区・塩屋崎灯台へ。
今年3月に訪れた時は、全域でコンクリ基礎を除去する工事が行われていた。
校舎を残すかどうかの議論もあったけど、その後どうなったんだろうと気になって見に行ったのだ。
途中、復興公営住宅らしき建物もできあがっていた。
人気の海水浴場を抱えていた薄磯地区。
3月同様、全域が工事現場となっていた。
3月には入れた道も通行止めになっているところが多かった。
道路も含め、全面的に区画整理を行い、新しい街を作るようだ。
ネットで調べると、その鳥瞰パースが公開されている。
海沿いはすべて防災緑地つまり公園になるらしい。
そして少し入ったところに弧を描いた県道が走り、住宅地はそれより内側になっている。
現在は山となっていて、くねくねした道が走っているところが宅地造成され、碁盤の目状に道が走っている。一番下にある「地区別平面図」を開くと、元々の地図と新たな計画図が重ねあわせてあってわかりやすい。
だとすると、校舎を見るのもきっとこれが最後だろう。
校舎どころか、写真の左半分にある山もいずれなくなり、高台の宅地となる。
塩屋崎灯台は、今年2月に一般公開を再開したばかり。
3月に登ったので、今回は下から見上げるのみ。
豊間海岸は、防潮堤の工事が行われていたがサーファーも結構きていた。
その姿を見ているだけで寒くなってくるんだけど・・・。
いわきマリンタワー。
今年3月に小名浜から塩屋崎灯台・薄磯地区までを一日かけて歩いたので、それと逆コースをバイクで走るのはなかなか楽しい。
●WADA-blog(わだぶろぐ)ココログ版:いわき海辺ウォーキング2014年3月
とりわけ、マリンタワーから小名浜港に向けての坂を一気に走り下りるのは、港全体も見渡せ爽快だった。
人生4度目のいわき・ら・ら・ミュウ。
1度目は2006年、2度めは2011年12月、そして今年は3月に続き二度目となる。
●<いわき>小名浜港「いわき・ら・ら・ミュウ」で海鮮丼を食べる!
海産物いっぱい!
なんだけど、まだ数時間バイクで走らないといけないので、今回もお土産は乾き物と保存がきく佃煮系となった。
お隣は水族館アクアマリンふくしまだ。
バックヤードツアーが面白い場所!
そこから勿来関跡へ。
平安時代より歌にも詠まれまくった有名な関だが、実は詳細はわかっておらず、場所すらまだ謎とのこと。
「なこその関」は関とよぶも関所とはよばない。また、目下のところ、和歌など文学作品以外の古代の史料に「なこその関」を見出すことすらできていない。 一般に「なこその関」は、白河関、念種関(『吾妻鏡』の表記。江戸時代以降は鼠ヶ関、ほかに念珠ヶ関とも)とともに「奥州三関」に数えられている。「奥州三関」は、「奥州三古関」「奥羽三古関」「奥羽三関」とも呼ばれる。しかし、「奥州三関」がなこそ・白河・念種の三関を指していたのかの確証はない。 ●勿来関 - Wikipedia
敷地内には、古代から近年までの勿来関を含む歌の歌碑がたくさん置かれている。
なこそとは 誰かは云ひし いはねとも 心にするう 関とこそみれ 和泉式部
歌碑を見ていると、やっぱりこれは歌人の心のなかの幻の関なんじゃないかなと思えてくる。
福島を抜け、北茨城市に入ったあたりでちょうどお昼時。
国道6号沿いが海に面したところにぽっこり浮かぶ小さな島を見つけたら、ここで停まることをおすすめする。
「二ツ島」という大きな旅館があり、食事だけすることもできる。
実は2006年に一度泊まったことがある。
その時の手の込んだ盛り付けの美味しいお料理が忘れられない。
席はテーブルごとに仕切られていて、目の前の太平洋を眺めながらゆっくりお食事できる。
で、驚きのメニューがこれだ。
一日限定30食だというが、お値段なんと995円。
そんな価格だったら、お味噌汁付きの海鮮丼だけでも納得だと思うんだけど、その下の大きな蓋を持ち上げると・・・
なんとさらに、これだけのお料理が!!!
しかも、人参や里芋もしっかり角をとって丁寧に調理してあり品のある味付けも美味しく、盛り付けも美しい。
ちょっと申し訳ないくらいの気持ちでいただいてしまった。
実は友人のご実家で、でも12時前後の多忙時に声をかけるのも悪いからこっそり食べてこっそり出てこようと思っていたのだが、Facebookに写真投稿したのをその友人が見つけすぐ実家に電話をし、お姉様とお母様にまでご挨拶させてもらってしまった。
おみやげにいただいた手作りしその実漬けも、晩酌のおつまみにぴったり。ご飯もすすみます。
最後に美味しいものをたっぷりいただき、あとは家路を急ぐのみ。
日立市で国道6号を離れ、海の上を走るバイパスを通って国道245号へ。そしてさらに地元香取市も通過する国道51号へ。千葉と茨城の県庁所在地を結ぶ124キロの国道だ。
鹿島スタジアム、神栖市など見慣れた風景が両脇に展開し、「帰ってきた!」感に包まれる。
利根川をまたぐ小見川大橋を越え、地元へ。
そして家の前の細い道に入ったところ、目の前に飛び込んできたのは・・・
あれ?門柱の上の茶色いのは・・・
もしやうちの猫?
私の帰りを待っていてくれたのか!!!
・・・と思ったら、寝てました(笑)
でも嬉しかった♪
走行距離は1,281キロ。
バイクの免許とったのが昨年、悩んだ末クロスカブを買ったのが今年3月。
それから半年を経て、これが人生初の長距離ツーリングでした。
リアス式海岸ならではのカーブだらけ上り下りだらけの道には最初心臓ばこばこ。
でもいつの間にか、次々と変わりゆく風景の中を走ることが快感になってきました。そして三年半が経過した津波被災地の「今」を目に焼き付け、原発事故の影響が甚大な福島も走り、いろいろ考えさせられ、また思いも新たにしました。途中出会ってお話させてもらった方、一緒に飲んだ方、ツール・ド・東北でともに盛り上がった方などとの縁にも感謝しています。
宿泊した場所のレポートやルート、気になるクロスカブの燃費など、おいおいまとめていく予定です。
長い長いレポートを根気強くお読みいただき、本当にありがとうございました。