充実!東海汽船主催「島トレ・レンタル原付バイクで巡る伊豆大島ツアー」(2)大島警察バイク講習&バームクーヘン
集合は22時、東京竹芝客船ターミナル。
少し早めに到着してターミナル内を歩いていると、ザック背負った若い人たち、釣り道具を抱えたおじさん、そしてそれとは服装もがらり違うサーファーの一群など、それぞれ旅の目的ごとの装備で集まっていて、まさに「旅の始点」。
ビジネス客も多い空港とはまた異なる旅風景だ。
そして島トレ・原付バイクツアーの受付テーブルもオープン。
ここで名札やスケジュール表、記念品、そして乗船券を受け取る。
名札の西暦が「2015」になっているが単なる間違いらしい。そういえば最初に送られてきた旅程表は、船の出航時間が間違って書かれていて後から訂正版が再送されてきたっけ。東海汽船なかなかお茶目な会社だ。
記念品は伊豆七島のレジャーマットに、東海汽船のカラフルな船がプリントされた手ぬぐい。どちらも絵がかわいく、島好きにはうれしい。
そして朗報も。
本来往復さるびあ丸は、広い部屋にごろ寝の「二等」だったのだが、席が空いているということで、なんと急きょ「特二等」にグレードアップ。
これはやはり、船会社・東海汽船主催ならではだ。
受付周辺を見ると、若い女性グループが多い。
ひとり参加と思われる人も数名いたので、話しかけて自己紹介など。
ひとり参加していた同世代女性は、唯一の自前バイク持ち込みで、しかもなんとスーパーカブだった!!!(私が乗っているのもクロスカブという排気量同じカブ)。
配布された地図を開きながら、翌日以降まわるルートの話など。
そしてまずは簡単なブリーフィング。
今回、東海汽船の添乗員は2人。
「この中で原付バイク一度も乗ったことない方っていらっしゃいます?」
そんな呼びかけに3人くらいの女性がおずおずと手を挙げる。
そして他の人もちょっとまわりと顔を見合わせている。
「ここは率直に言ってもらったほうが」
そうスタッフが促すと、最終的に7名が手を挙げた。
14名中なんと半分だ。
すごいなあ、勇気あるなあ~!
恐らくこれは主催者も想定外の比率だったんじゃないだろうか。
そして乗船。
都心は小雨。この雨は翌日昼にはあがるというが、できれば走り始めからやんでいてほしい・・・
船内に入ると、まぐろのように横たわるサーフボードがまず目に飛び込んできた。伊豆七島でサーフィン有名な島ってどこなんだろう。
そしてデッキに。
実はこのさるびあ丸、何度乗ったかわからない。
といっても、船旅としてはそれほどの回数ではなく、主に夏の間開催されている「東京湾納涼船」だ。2,600円で飲み放題という、東京の夏の風物詩ともいえる人気企画で、去年も2回乗った。実は今回このツアーのことを知ったのも、運営する「東京ビアガーデン情報館」絡みの打ち合わせを東海汽船の広報の方としている時、「そういえばバイクに乗るんですよね?」と言って教えてもらったのがきっかけだ。
そんなわけで、ビールサーバも設置されていない通常運航のさるびあ丸は、なんだかちょっと新鮮な感覚。浴衣姿もいないし(ちなみに去年の東京湾納涼船はこんな感じでした)。
さっそくウレタンマットを敷いて集合しているのは、どうも大学か何かの自転車乗りの学生さんたちのよう。しかもすごい人数だった。
修学旅行生的なワクワク感が周囲にも伝わってくる。船の上で意中の相手に告白する覚悟の子とかもいるんだろう。島で玉砕する子もいそう。いやー、青春だなあ(←勝手な妄想)。
そしてレインボーブリッジを通過。
翌朝も早いので、私はここまで写真に収めた後階段を下りた。
ちなみに二等船室はこんな感じ。
毛布は1枚100円の有料レンタルだ。
そして無償グレードアップとなった特二等がこれ。
前に一度だけ利用したことがある気がするけど、普段は二等なのでうれしい。
二段ベッドでカーテンも閉まる。
これだと他の人の目を気にせず眠れるし、女性も着替えがしやすい。すぐ横の人のいびきに煩わされることもなければ、寝相を気にする必要もない。
ちなみに気になったので、運賃の違いをチェックしてみた。
▼東京~大島
等級 | 運賃 | 2等比 |
2等 | 3,980円 | 100% |
特2等 | 5,970円 | 150% |
1等 | 7,960円 | 200% |
特1等 | 9,550円 | 240% |
特等 | 11,140円 | 280% |
5割増しと考えるとちょっと抵抗感あるけど、+2,000円でこの快適さなら、特2等がいいかな。
そんなわけで、翌日のツーリングに備え、この日は缶ビール一本だけ飲んで早めの就寝。
目指すは三原山のある島、伊豆大島!
伊豆大島までの航路はその約半分が東京湾内なこともあり、揺れることもなく、また釣りの人も自転車の人もサーフィンの人も、朝から活動開始する関係か夜更かしする人も少ない。
おかげでぐっすり眠ることができる。
ちなみに前回船に乗ったのは、昨年10月の東京─八丈島間。その時は台風が3つ南方に来ていたこともあり、今回とは雲泥差(その時のレポートはこちら)。船旅はじめてという人はやはり、伊豆大島からスタートするのがいいかも。
大島着は5時だが、4時半頃には照明がつき、大島到着を知らせるアナウンスが流れる。
いつも東海汽船の船に乗るたび気になるのだが、「降り過ごし」ってないんだろうか。目覚めたら神津島とか。
感謝!
雲はまだ空を厚ぼったく覆っているものの、雨は降っていない。
そして大島で降りる人が予想外に多かった。
大島までだと高速ジェット船で、朝8:15東京発に乗れば10:00には大島に到着する航路もあるので(運航時刻は時期により異なる)、さるびあ丸に乗っているのはむしろ、式根島や神津島で午前中からがっつり遊びたいという人が中心なのかと思っていたが、そうでもないようだ。
港では宿のマイクロバスが待っていてくれ、これに乗ってまずは御神火温泉へ。
「御神火」は「ごじんか」と読み、三原山の噴火の火を「神の火」として崇めて呼ぶ名称とのこと。伊豆大島では、飲食店の名前やお土産、あと島の焼酎など、あちこちで「御神火」の文字を目にする。
伝統芸能である「御神火太鼓」も有名。
岡田港から市街地に入ってすぐのところに、温泉施設「愛らんどセンター御神火温泉」があった。
営業時間は、夜行便が到着する日は6:30から、そうでない日は9:00から。この日はGW特別運航スケジュールになっており、5時過ぎには到着したため、さらに早い時間から営業していた。
私は温泉後回しにし、休憩室に座布団並べてごろり。6時過ぎからは朝食セットを食べることもできる。
そして8時半に再びマイクロバスでレンタルバイク屋さんへ移動。ここで原付バイクを借りる。島のレンタルバイクとは思えない、きれいで新しい原付がずらり。整備状況もよかった(1台ちょっとぼろいのが混じってたけど)。
14名中7名がまったくの初心者。
シート下に荷物を入れる場所があると聞いても、鍵でロック解除という発想がなく一生懸命引っ張って開けようとしたり、「じゃあ押して移動しましょう」と言われても、センタースタンドをどう外せばいいかきょとんとしたりと、「むしろここで最初の講習をやったほうがいいかも」状態。
初めてだったらそりゃそうだよね。自分もバイク買ったばかりの時、バイク屋さんの駐車場で「1から教えてください」といって、鍵のさし方から教えてもらったもんな。
レンタルバイク屋の近くに大島警察署があり、全員でバイクを押してそこまで移動。緩い上り坂になっていたので、実は2日間でもっとも体力使ったのがここだった。
到着すると、既に署長さんはじめ、安全講習を担当する白バイ隊員や、この日一緒にツーリング同行してくれるお巡りさんも待っていてくれた。
イケメンな上とても面白く、かつものすごい気配りの方で、この日ツアー参加者の間ではマスコット的存在にもなってしまった白バイのおにいさん。元々は高速警察隊で首都高が職場だったそう。個人的にはさらなる離島を希望したそうなんだけど、子供の学校の問題などもあり・・・とか。、
おそらく完全初心者が半分ということで、予定変更になったのだろう。既にバイク乗っている組7名は、安全講習は飛ばして島北部へのツーリングに一足先に出発。
残りの人たちは、エンジンのかけかたからカーブの曲がり方、坂道など、かなりきめ細かい原付バイク講習を受けたようだ。
最後、いまひとつ操縦に自信持てずにいた女性は、お巡りさんとのマンツーマン講習になっていたほど。あまりに贅沢!!!自分もそんな講習受けてみたい。
白バイ記念乗車も♪
以前、モーターサイクルショーで白バイ隊員による走行ショーを見たことがあるけど、こんな巨体のバイクで思い切り傾斜してくいくい曲がっちゃうのが本当に不思議。
初心者組が安全講習を受けている間、経験者組は先に島の北端・乳が崎&野田浜までの海沿い往復ツーリングへ。
左側にずっと海を眺めながらの気持ちいいルート。直線コースも多く、曇り空ではあったけど、雨にも降られず風も心地よく、なにより開放感たっぷり。
しかし悲しいことに!!!
その走行ルートを、いつものようにGoPROでコマドリする予定が、うっかり宿に運ぶバッグの中にカメラ一式を忘れてしまった(涙)
そこから一度警察署に戻り、いよいよ大島外周ツーリング開始!
最初の見どころがこの地層大切断面。
島では「バウムクーヘン」とも言われているそうで、外周道路沿いにどこまでも、波打つように歪曲した地層がくねくねと伸びていた。
地層が露出している崖というのはあちこちにあるが(私の地元だと銚子・犬吠埼断層など)、こんなにも美しく歪曲して連なっているのを見たのは初めて。
この地層の大切断面は伊豆大島の火山噴火史を物語る証です。100層ほど積み重なった見事な縞模様は、おおよそ150年前後に1度と言われている大噴火によってスコリア火山灰主体の降下堆積物で形成されています。大島では"バウムクーヘン"と呼ばれるこの地層は、1953(昭和28)年道路建設工事中に偶然発見されたもので、長さ630m、標高70m前後の都道沿いに高さ24m程に渡って続いております。
写真を撮っていると、後方からサイレンの音が。
振り返ってびっくり。
なんと白バイに先導された、初心者チームだ!
なにそれ、格好良すぎるんですけど!!!
皆まだ、乗り始めて2時間程なのでやや硬い姿勢で、一直線になって走っていた。お巡りさんや東海汽船スタッフによると、その表情&姿勢が朝と昼と夕方では大きく変化し、当初の緊張がどんどん解けて楽しくて仕方なくなってきている様子が見ていてわかったと。
そこから伊豆大島南側の展望台へ。
ここからは沖合に利島・新島の島影が見える。
「下道行ってみる?」
経験者組を引率していたお巡りさんが言う。
もともとバイクが大好きでよくツーリングもしていた方で、伊豆大島に来てからオフロードを楽しむために一台買い、休みの日に島内あちこちを走っているそう。
素敵な場所もたくさん知っていて、案内してくれた。
話も本当に面白かった。
そして自分のようなバイク初心者(バイク歴2年)にとっては、警察官かつベテランライダーの後方を走るというのはすごく勉強になる。右左折の時の後方への合図のタイミングだったり、曲がるときのコース取りだったり、展望台の駐車場に入った時も後続がスムーズに並んで停車できるよう無駄なくきれいな誘導をしてくれる。バイク好き同僚とツーリングに行ったりもするそうで、初めての道を走る時には先導する人の後続への合図が大事という話もしてくれた。
きれいに整備された外周道路から下道へ。
といっても、こちらも非常に走りやすい道だ。
未舗装の坂道を下って、真黒な岩がごろごろ転がる海岸へ。これもきっと火山の爆発で地中から飛び出してきた噴出物なのだろう。
入江状になっているところも多く、潮だまりもあちこち。
夏には海水浴客で賑わう場所のひとつだそう。
そしていよいよ待望の「島で一番人気!」というお店での地魚ランチタイム♪
●5/6~8 大島原付バイクツアー(東海汽船 添乗員の部屋)
●島トレ・原付レンタルバイクでめぐる伊豆大島(ぶちブログ)