未来のコインランドリーを考える「AQUA次世代ランドリーIoTアイディアソン」に参加

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今年はインプットを増やしたい!
そんな思いから申し込んだのが、先週末に東京・北青山で開催されたAQUAのアイディアソン。

●デジタルハリウッド×AQUAによるIoTアイディアソンを開催!|デジタルハリウッド株式会社のプレスリリース

AQUAはこの度、マイクロソフト社のクラウドサービス「Azure」により、コインランドリー機器の利用データを取得・クラウド上で管理をし、そのデータをサービス開発等に活用する『次世代Cloud IoTランドリーシステム』をスタートします。(中略) それに伴い、広くビジネスマン・学生・主婦などから自由なIoTに関するビジネスアイデアを出せる機会を目指し、2018年1月14日(日)にアイディアソンを開催いたします。

自分が応募した理由は3つ。

  • 「コインランドリー」というビジネスモデルに興味があった
  • 旅先・シェアハウス等で利用する機会が増え、不便さを感じていることも
  • 従来からあるサービスがIoTでどう変わる可能性あるのか知りたい


「コインランドリー」というビジネスモデル

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「コインランドリー、生まれてこの方一度も使ったことない」

そんな人も世の中には結構いるはずだ。駅前一等地などで展開しているわけではないので、生活圏でどこに存在しているのかすら知らないという人も少なくないはずだ。

「今やどの家庭にも洗濯機あるのに何故必要?」
「最近は機械乾燥だって個人宅でできるのに?」

と不思議に感じる人もいるだろうが、実際はコインランドリー、

「年々増加傾向にある」

のだという。

●コインランドリー事業が急成長。そんなに需要があるの? | 日刊SPA!

厚労省の調査ではコインランドリーは毎年約5%、この2年で約700店が増えている。投資対象としてコインランドリーは今が"買い"なのだ。

自分が住んでいる地方の小さな町では、大型の洗濯機をいくつも備えた割と大きめのコインランドリーが新規にオープンしている。マンションなどもない田舎で若い人も次第に減っており、洗濯機を保有していない独身男性一人暮らしが多いとも思えない。

「なぜこんなにコインランドリーがあるのか」
「稼働率それほど高いとは思えないのにビジネスとして成り立つのか」

ということが以前から非常に気になっていた。

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ちなみに我が家では、主に毛布やタオルケットなどをまとめて洗うのに定期的に使っている。車でまとめて運び、一気に洗い乾燥させる。季節の変わり目にはそれ以外のものも運び込むことがある。

ただ周囲を見回すと、コインランドリーを使っていると言う人のほうが少ない。
また定期的に使っている我が家でも、その頻度は決して高くない。2か月に1回使うかどうかだ。

新しく誕生するコインランドリーは、比較的広くて洗濯機・乾燥機をずらり並べている店舗が多いが、フル稼働しているのは見たことがない。10台近く並んでいて1~2台が回っている程度というのが自分の体感値。

いくら無人ビジネスで人件費不要とは言っても、洗濯機の耐久年数がある。電気光熱費もあれば故障など定期メンテナンスも必要だ。1回100円・200円といった少額料金のコインランドリー、初期投資は一体どの程度で回収できるものなのだろう。

今回そんな話も聞いてみたかったので、新築した自宅一階部分をコインランドリーにしてオーナーになったという人とチームビルディングさせてもらった。この人が凄かった!!!アイディア湧き出す方で、ご自身のコインランドリー運営に関しても貴重な話をたくさん聞かせてもらった。

個人的な情報なのでそれ以上のことは書かないが、稼働状況などもリアルタイムで把握できるAQUAのオーナー専用管理画面もチラ見させてもらい、コインランドリーというビジネスに非常に興味を持った。

●AQUA「コインランドリー経営をお考えの方へ」

ちなみに今回のアイディアソンを企画したアクア株式会社は業界シェア75%とダントツトップのリーディングカンパニー。洗濯機の世界市場シェアトップのハイアールグループで、日本では三洋電機の事業を継承した。記憶に残っている人もいるだろうが、AQUAはもともと三洋電機の洗濯機ブランドだ。

上記公式サイトには、コインランドリー数のここ20年の変遷グラフも載っている。家事も含めた洗濯労働市場の中でコインランドリー利用はまだ全体の2%に過ぎず、将来的な市場拡大の可能性もあるとのこと。

●AQUA「商品特長」

このページを見ると、最新のCloud IoT ランドリーシステムについても理解できる。雑居ビルの一階、あるいは郊外の空いている土地の有効活用としても注目されているようだ。

最大のメリットはやはり「無人でできるビジネス」という点。
現在、業種を問わず大きな課題となっているのは人材確保であり、固定費となってしまう人件費は大きなリスク要因でもある。

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コインランドリーは、駐車場ビジネス同様、清掃や売上金回収以外は人手不要なため、副業として営んでいる人も結構多いようだ。またコインランドリー併設することでそれを本業の「集客ツール」にしているケースも。

今回このアイディアソンに参加させてもらった最大のメリットは、これまでずっと抱いていた「なぜコインランドリーは増えているのか」という疑問が、少し解けたこと。今後「無人でできるビジネス」についてもっと調べてみたいと思う。


コインランドリーに感じる不便さ~遅滞ない回収のプレッシャー

先ほど自宅での大物洗濯利用について書いたが、実は他にもちょいちょい使っている。

例えば、毎年夏から秋にかけて行う3週間以上のソロツーリング時。
都市部のビジネスホテルやゲストハウスであれば、建物内にコイン式洗濯機を設置しているが、乾燥機がない場合もある。「干す場所がない」「干す時間がない」あるいは「雨続き」という時は、宿の外のコインランドリーを探すしかない。また出張者や長期バックパッカー旅行者が利用する宿泊施設以外の民宿・旅館などにはコイン式洗濯機もない場合が大半だ。

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↑九州ツーリング最終日の小倉で利用したレトロすぎるコインランドリー(関連記事

ここ数年は、千葉の自宅と東京のシェアハウスと二拠点生活をしている。
シェアハウスには洗濯機があるが、大きなものを洗う場合にはやはり近隣のコインランドリーのお世話になる。

不便に感じるのはやはり、「2回以上往復」しなくてはいけないことだろう。
洗濯をし、30~40分くらいで一度見に行く。洗濯が完了していれば乾燥機に移し再び30分後。乾きが足りなければさらに1クール。そしてすべて終わったら回収に行く。

  • 洗濯が終わったころを見計らってとりにいかないといけない
  • 従来のコインランドリーではそれを通知してくれるサービスはなかった
  • 大胆な人(もしくは図々しい人)は洗濯終わってもすぐ取りに行かずいつまでも放置
  • 小心者は次の利用者に申し訳ないと時間が気になって仕方ない
  • 放置することで他の人に持ってかれてしまう/抜き取られてしまうリスク・不安も
  • 大型洗濯機使いたいのに前の人の洗濯ものが入っていて使えないことがある

コインランドリー運営者の方によると、朝お子さんを送るついでに洗濯物を投げ込み、夕方までそのまま放置なんて言う人もいるそう。次に使いたい人が困るのはもちろん、オーナーからしたら多大なる機会損失だ。

自分は、大型洗濯機が前の人の放置で使えず困った経験があるので、洗濯終わるまで待つか、洗濯完了見込より前にやってくるほうだ。「後の人に悪いから」という理由に加え、「遅延して誰かに取り出されベンチに放置されたら嫌」という警戒心もある。

このあたりの事情は今、変わり始めている。
今回のアイディアソンのテーマにもなっている「IoT」の技術によってだ。

●コインランドリーGlanz 東六郷 | コインランドリー総合サイト LAUNDRICH

例えばここ。上記リンク先を見てみてほしい。
去年まで暮らしていた雑色で、徒歩圏内にあったコインランドリーだ。

洗濯機・乾燥機が計13台あり、それすべての稼働状況をインターネット上で見ることができる。そして残り運転時間もわかる。カード会員になっておけば終了のお知らせもメールで届く。「そろそろかな?」と思って向かったら早すぎて、ガタゴト揺れる洗濯機をじっと見つめながら無為に5分を過ごすなんてこともなくなる。

とりわけ大物を洗濯したい場合に便利。
カーテンを抱えて運び込んだら、狙っていた17kg洗濯機が2台とも埋まっていた・・・なんて事態も避けられるし、それを防ぐために空身で事前偵察に行く必要もなくなる。本当に便利だ。


コインランドリーはIoTでどう変わるのか

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「洗濯機の空き状況が行かなくてもわかる」
「洗濯が完了したらそれをメールで通知してくれる」

は、おそらくIoTの技術導入して実現するサービスとしてはもっともベーシックなものなのだろう。コインランドリーの洗濯機がネットワークに接続されることで、今まで思いつかなかったようなサービスが実現し、不便さが解消され、もっと使いやすく、そして今までなかった価値も生まれる仕組みが誕生する。

それを探るのが今回のアイディアソンだ。

正直、わずか2時間の中でプレゼン用資料作成までしなくてはいけなかったので、議論も情報収集もアイディア整理も資料請求もすべて中途半端になってしまったが、それでもバックグラウンド全く異なるメンバー4人でのアイディア出しは非常に面白く、限られた時間ゆえの刺激と緊張感はなかなかよかった。

私たちのチームでは

  • 高齢社会の課題解決にコインランドリーはどんな役割が果たせるか
  • UberEATS的な配達員登録型デリバリーシステムを構築できないか
  • コインランドリーを地域のシェアリング拠点に

という軸でアイディアをまとめた。

  • 高齢者にとって高いところに干さないといけない洗濯は負担
  • 失禁・食べこぼしなどで介護の現場では洗濯物も増える
  • コインランドリーへの持込・回収に行くことができない人も
  • 無人運営というコインランドリーのメリットを損なわずにデリバリーサービスできないか
  • UberEATS式のデリバリーしたい人が登録し隙間時間にマンパワーを提供
  • デリバリー料金は配達回数・距離などに応じた成果型
  • 自身の洗濯の完了を待つ間にデリバリーすれば実質ゼロ円での利用にも
  • 他にも「新聞配達」「訪問介護」などのスタッフの収入拡大モデルにも
  • スーパーや高齢者比率の高い地域・公団団地などでは「買い物代行」が始まっている
  • 新聞・ヤクルト配達・ゴミ出し代行等と同じく高齢者見守りサービスにもなる
  • シェアハウス・コインランドリー・サイクルシェアなどシェアサービス一挙利用できるビルがあったら魅力感じる人もいるのでは

個人的に今、「介護」「高齢者向けサービス」に強い興味がある。
先々月、入院した父の付添と寝たきりになった母の自宅での世話を短期間ではあるが同時進行させた経験からだ。食事は宅配弁当サービスもあるので何とかなるし、ロボット掃除機を使って床掃除も省力化していたが、洗濯はそうはいかない。家中にビニール紐を張り巡らせ、常に洗濯し続け、干し続ける状態になった。

●UberEATSの配達員に登録!

またUberEATSの配達員登録もし、数回ではあるがフードデリバリーの仕事も体験した。
隙間時間を使って、家の周りでちょっとした副業ができる非常に面白いシステムだと思う。自転車に乗って走ることは健康維持にもつながるし、自分はバイクが好きなので、都心の道をあちこち走ってみたいというのが大きな動機でもあった。

もし洗濯物の配達なんていう、好きな時に自由にできるデリバリー仕事があったら個人的にも興味がある。
徒歩でも自転車でもできるので、家に引きこもりがちな自分にとっては外出して体を動かすいいきっかけとなるだろう。時間を持て余している無職の父も興味持つかもしれない。

新聞配達はじめ別の商品のデリバリー業務と提携し、業務拡大・顧客向けサービス拡大の一環として洗濯物デリバリーを行ってもらうというのもありだろう。

  • UberEATSのように「ランチ・ディナータイム集中」ということがない
  • 商圏が都市部に限られることもない
  • スーパー買い物代行のように、冷凍・冷蔵商品の管理が必要ない
  • 宅配ボックス的なものがあれば不在の家へのデリバリーも可能
  • 重さがさほどないので非力な女性や健康な高齢者がデリバリースタッフとして活躍できる

ランドリーのデリバリーにはこんな優位性もある。

IoTの仕組みと利用者登録システムが稼働し、さらに少額オンライン決済の仕組みが日本でも普及してくれば、こういう形でちょっとしたマンパワーのシェアを地域社会の中で行い、身体が不自由で外出がままならない人や、多忙で時間がない人にとってのストレスが解消されるはずだ。

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チームでの話は「高齢者」「デリバリー」にとどまらず、さらに「コインランドリーを地域社会のシェアリングハブにする」という構想にまで広がっていった。このあたりは、実際にコインランドリーの運営を始められたばかりの方の鋭い分析やロジカルな考え方が大きく、私自身もいろいろ刺激を受けた。

そして結果・・・

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我々のチームはまさかの優勝!

4人で5万円の賞金までもらってしまった。
いやー、楽しかった!

「コインランドリーはシェアリングの走り」と、コインランドリー運営のOさん。
確かに~!

カーシェアはじめ今後ますますシェアリングエコノミー型サービスは増え、保有せず必要な時に必要なサービスを賢く使うライフスタイルが広がってくる。自分もそれに期待している。そして24時間ジム、無人レジなどIT技術も駆使した無人サービスが増える一方、UberEATSやクラウドソーシングのように、個人が自分の隙間時間を使ってマンパワーを提供する新しい働き方、労働力のマッチングプラットフォームも誕生している。

それらを組み合わせることで、今までなかった価値が生まれる。
今回アイディアソンに参加させてもらい、そんな期待が強まった。

このAQUAアイディアソン、今後はAPIを使っての新しいサービス・プロダクトを考案するハッカソンとして開催される予定とのこと。
エンジニア&プログラマーの方、新規事業を模索中のマーケターなど、参加してみたら面白いと思う。

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